読み聞かせしながら、考える。

読み聞かせボランティアで読んだ本の紹介と活動のなかで考えたことを綴ります。

「読み聞かせ記録」引っ越しました。

noteに付け続けていた読み聞かせボランティアの記録。

あちらは外部画像へのリンクがはれないようでアップするときに削除されてしまったので対応に悩んでいたのですが、こちらに新しく読み聞かせ記録用のブログを作りました。

 

 

2学期は行事が多い関係もあり、1学期よりかなり日数が少ない読み聞かせボランティア。


10月に2回、11月と12月は1回ずつというちょっと寂しいスケジュールになっています。

 

先月は私は都合がつかず参加できなかったので今日が今月最初の参加となりました。

 

伺ったのは4年生のクラス。
クレヨンハウスの落語絵本「おにのめん」を持って行きました。

 

おにのめん (落語絵本)

おにのめん (落語絵本)

 

 

この本を選んだのは、「来年のことを言うと鬼が笑う」という諺がオチに使われているのでそれを知っている子が楽しめること、知らなかった子が知るきっかけになるといいなという思いがあったから。

 

実際には読み終えたところでオチに気づく子は皆無、そこから残りの数分でこの諺を説明する時間に使いました。

 

この絵本を選んだもう一つの理由、それは関西弁で書かれていることと会話が多い事。

読み聞かせボランティアをはじめるにあたって最初に色々と「読み聞かせとは何か」を考えました。


そのなかで、抑揚は付けず淡々と読む方が良いという考え方が有ることについても知りました。
あくまでもほんの内容を伝えることが目的であり、余計な抑揚や演技をすることで必要以上のイメージを聞き手にあたえ、実際に読む際の妨げになってはいけない、というのがその考えのベースのようで、それは私も納得の行く側面があったので気をつけていました。

 

が、4年生以上のクラスに何度か行ったり他の方の読み聞かせを見学したりしていて気づいた事。


全く聞いてない子が、かなりいる。

面白くないとか面白いとか以前に、最初から聞こうという気持ちを持ってないように見える子が年齢が上がる毎に増えて行くように感じていました。

 

本を読んでもらうことがただただ楽しみな低学年とは違って、高学年になるにつれて、本を読む習慣がある子とない子の間にはかなりの隔たりがあるように感じます。


ネットでもたびたび、活字が読めない、漫画すら理解できない子が増えているという声を散見するほど、今の子たちのなかには漫画すら読む習慣のない子がじわじわ増えているようです。


実際うちの子たちの周囲でもそれは感じます。

 

20〜40人程度の高学年の子たちに一斉に読み聞かせをするにあたって、淡々と読むことに付いて来れる子と来れない子がいるのかもしれない、と接していて感じました。

 

 

1学期に行った読み聞かせのなかで、6年生を相手に星新一ショートショートを読んだとき。


読み始めて数行、明らかに興味無さげだった一部の子たちがいたので途中から読み方を少し変え、机の間を歩きながら寸劇のようにセリフや演技を交えながら読みはじめると教室の雰囲気がガラッと変わりました。

 

それまで机の上に別の本を置いて読んでいた子や宿題を広げていた子が、手を止めました。

大人が大きな声で抑揚を付けて演技しながら横を通るのだから当たり前ですよね。

そうやって耳を傾けることをしてくれた子たち、学期末のアンケートでは、6年生のなかでその星新一の回は「面白かった」という声が多かったという結果が出ていました。


興味を引く、という目的でこの手法は有効なのかもしれないなぁと、改めて感じました。

 

読み聞かせとは本来どんな意味を持つべき物だろう、と考えたとき。


声色や演技は絵本そのものの良さを遠ざける良くない物かもしれない、とやはり思います。ただ、そこに固執することで退屈させてしまって、本来とどけたかった「本を読んでみようかなと思ってもらう、興味を持ってもらう」ことからも遠ざけることになるのは本末転倒なのかもしれないとも思います。


特に高学年ではもう既に本に親しんでいる子へさらに紹介をすることと、親しめていない子に本を読んでみたくなる導入をしていくことと(もっと低次元でいうと本そのものを手に取る敷居を下げること)、その二つの方向を意識しないといけないんじゃないかなと感じています。


おそらくはほかのボランティアさんたちが前者のアクセスをしてくれているだろうと思って、私は後者へのアクセスをしてみようかなと思っています。

 

読み聞かせをする目的、それはやっぱり「この本、読んでみようかな」「もっと聞きたいから自分でも読んでみようかな」と思ってもらうことなんじゃないかなと思うのです。

 

今日4年生に関西弁の落語の本を用意したのも、たぶん本に対する温度差があるかなと思ったのと、週明け月曜日の朝だから楽しい方が良いかなと思ったから。

こちらの予想が功を奏して、子どもたちは興味津々に落語絵本に見入り、諺の事も楽しく会話が進みました。

 

手にとりたいと思う子がいてくれたらいいな、という思いを込めて最後にこの本が市の図書館にあることを紹介して、教室を出ました。

 

本ブログのなかで読み聞かせについて書いたエントリはこちら

 


読み聞かせボランティアに行ってきました。 - スズコ、考える。

初めて参加する前に「読み聞かせとは何か」を色々と考えてから書いたエントリです。

 

 


絵本「3びきのくま」を通して。 大人になった私の目線と、小さい私の見ていたもの。 - スズコ、考える。

これは大好きだった絵本と再会したときのこと。

大人にとっての読み聞かせと子どもにとっての絵本について考えました。

 

 

※noteに記録していた読み聞かせボランティアの備忘録については時間が出来たら残したいものは順次こちらに移行しようと思っています。

 

それではこちらでもぼちぼちお付き合い下さいませ。