漫画家こうの史代さんの絵本
絵本の読み聞かせボランティアを始めてから、以前より頻繁に図書館に行くようになりました。手持ちの本を使うことも多いのですが、季節を選ぶものやなかなか自分で買えないもの、書店で探しきれないものが図書館にはたくさん眠っているのでそれを発掘しに行くのも一つの楽しみです。
図書館から借りてきた本だと子供たちの食いつきがよかったときに「あそこの図書館にあるよ」と教えることができるという利点もあります。
偶然の出会い
最近は手持ちの本ばっかりでマンネリ化してるな〜と先日子供を連れて行った図書館であれこれと絵本の棚を見回しているとき、背表紙にこのコーナーでは見慣れない名前を見つけました。
「こうの史代 絵」
大好きな作家さんや漫画家さんはたくさんいるのですが、その中でも漫画家のこうの史代さんは新刊が出れば必ず手に入れる方の1人。
最近では「この世界の片隅に」がアニメ映画化されたことでその絵とお名前がさらにお茶の間に広まったのではないかと思います。
私も原作が大好きでセリフを覚えるほど何度も読んだほど。クラウドファンディングの支援者の一人として作品に関わることができてとても光栄に思ってます。
こうのさんの絵本
さて私が出会ったこうのさんの絵本が、これ。
『「あ・そ・ぼ」やで!』
表紙の絵の男の子と女の子、やんわりとした色合い、こうのさんだ〜〜〜!!と思わず嬉しくなって早速借りて帰り、家で子供たちと、また低学年のクラスの読み聞かせに、と使いました。
コテコテの関西弁の教室に馴染めない転校生の女の子と、それを助ける優しい男の子。ストーリーそのものは道徳的な要素を含んだ感じの普段私があまり選ばない系の絵本でやや長めではありましたが、こうのさんの優しい絵柄やところどころに出てくる関西弁のテンポ、子供の心の変化の様子が丁寧に描写されているところなどに子供たちも飽きずに一生懸命聴いてくれました。
作者くすのきさんの絵本
この絵本の作者のくすのきしげのりさん。
「おこだでませんように」が一番有名でしょうか。
「ええことするのは、ええもんや!」や「ぼくのジィちゃん」「ともだちやもんな、僕ら」などともだちや家族関係のちょっといい話的な絵本が多い作家さんです。
道徳的な内容が多いですが、関西弁でテンポよく言葉が綴られていくので読んでいて気持ちのいい作家さんの一人です。
関西弁での読み聞かせ
話はちょっとずれますが、関西弁の絵本を読むときいつも、どの程度なまらせるかは結構悩みます。
大阪にしばらく住んでいたのでそれっぽい関西弁のイントネーションで読むことはできる、でも方言の違うこの辺りではあまりコテコテにしてしまうとお話の内容より耳慣れないその関西弁により子供たちの意識が集中してしまわないかな?と心配になるのです。
『「あ・そ・ぼ」やで!』は主人公の女の子の語りとセリフが標準語なので、違う地方の言葉だということがわかるように少しなまらせる程度に留めました。
長谷川義史さんの絵本なんか読む時も悩みますね…
「たこやきのたこさぶろう」はコッテコテの大阪のお話なのでこれはもう思いきって吉本新喜劇ばりに演じてみることも。
「どこいったん」みたいにシュールな絵本をゆっくり丁寧にイントネーションをつけて読むのも、じわじわきて好きです。
長谷川さんの最近のお気に入りはこれ。
お給料日には回るお寿司を食べに行こう!という、ただただそれだけの家族のお話です。
ただただそれだけのことなのだけど、なんか、良いのです。
おわりに
こうのさんのえほんの話からどんどんずれてしまったので話を元に戻すと、私がこうの史代さんが大好きだということと、「この世界の片隅に」をみなさん是非劇場へ観にいってくださいね、お誘い合わせのうえ!というのを伝えたくて書いたブログでした。おしまい。