身近な鳥の話をしながら、野鳥の絵本を読む
先日わたしのお誕生日の翌日、諸用で遠出をしたついでに寄ったショッピングモールの中の書店で運命的な出会いをした絵本がありました。
本を買うつもりはなかったのだけどなんとなく誘われるように店舗の一番奥の絵本売り場の飾り棚に、印象的な表紙の1冊が。
日本野鳥の会のバードウォッチングに足繁く通う野鳥好きとして見逃せない表紙。
そして作者は「鳥の巣の本」の鈴木まもるさん。
買わないなんて選択肢はありませんでした。
自分への誕生日プレゼント、と思って、大事に大事に抱えて帰りました。
表紙に描かれているのはマガモですが、お話のスタートは身近な渡り鳥「ツバメ」からです。
今の季節あちこちの軒先に巣をかけているツバメたちが日本へやってくるお話で始まります。
日本にやってくるわたり鳥たち、続いてヨーロッパやアメリカ大陸、北極と南極を行き来する鳥たち。
世界中のたくさんの移動する鳥たちの様子がこの1冊に詰まっています。
これはすごい絵本です。
そして巻末には鈴木さんを象徴するような特集ページ。
登場するぞれぞれの鳥たちの細かな説明と、それに添えられた巣のイラスト。
「本当に1500円でいいんですか…!」と子供に読みながら私の方が盛り上がってしまうような、そんなすごい絵本でした。
鈴木まもるさん、幼児向けだと乗り物の絵本の方が有名かもしれません。
絵のテイストがはたらくくるましりーずとはぜんぜん違っていて面白いのだけれど、鳥の巣の本をたくさん出されている作家さんでもあります。
まだまだ挙げきれないほどたくさんの鳥の巣の本があります、並べるだけでワクワクしてきた…
さて最後に最近出会った鳥の本をもう1冊。
こちらは絵本界に旋風を巻き起こしていると話題の、小学館から発行されている「ぴっかぴかえほん」シリーズの1冊です。
このシリーズの何がすごいかって、月刊誌から毎月1冊絵本が生まれてること。
元になっているのは「小学一年生」に毎号付いている付録のミニ絵本。
その短い絵本をそれぞれの作家さんがいろんな形でお話を膨らませて、1冊の絵本ができているという、異例の作品群です。
既存の絵本に数ページ付け足すというのは作家さんにとっても大変なものだろうと思います。
繰り返しの手法でページが増えているもの、エピソードが付け足されているもの、セリフが増えているものなどいろんな要素で増ページされて出来上がっていくシリーズです。
その中でも私が今一番気に入っているのが、これ。
元になっているのは「ヒバリとヨタカ」というミニ絵本。
ここにカワセミという新しい登場人物が追加されて、お話が追加されて1冊の絵本になっています。
泳ぐのは得意なカワセミと空を飛ぶのが得意なヒバリ、上から下へと飛ぶのが得意なヒバリと横に早く飛べるヨタカ。
それぞれに得意なことがある。「きみはきみでいいんじゃないかな」と書かれた帯が印象的です。
読み聞かせに使う時には、出てくる鳥のこと、身近な野鳥のことを話題にすることが多いです。
それぞれの鳥が身近で観察できそうならどのへんにいるのか、無理そうならどこに行けば観察できるかとか、スズメやツバメなど人家の近くで観察できる鳥の話をするのも良いかも。
私は先日は学校のプールに虫を取りに来ていたツバメのお話から始めました。
おまけとして「ぴっかぴかえほん」シリーズのオススメをいくつか。
低学年の読み聞かせで喜ばれます。
なんの形かな〜〜ってわいわい言いながら読むと面白い。
虫好きにはたまらない一冊。もうこの表紙でなんの説明もいらないかもしれない。
アリの目から見たたくさんの虫たちが楽しめます。
武田美穂さんの可愛い絵が印象的。
大事な大事な金魚を守りたいがあまり何も手につかなくなってしまう男の子の様子もとても可愛い。低学年の読み聞かせにオススメです。
今日はこれまで!