久しぶりに紹介したい本がありまして、1年ぶりの更新です!
久しぶりに「これはブログに書かねば」と思う本に出会いまして、このブログのトップを開いてびっくり。1年も!1年も書いてないじゃないですか…!
さて今回ご紹介したい本はまだ学校の読み聞かせには持って行っていないんですが、うちの小学生には大うけでございました。
その名も、『おしっこちょっぴりもれたろう』
タイトルでもう出オチな感じもする表紙ですが、これは久しぶりに出会った、どの学校どの学年でも持っていける名作、だと思ったので全力でオススメします。
下ネタだと思うでしょう?
幼児向けだと思うでしょう?
くくくくく…
そう思った方にぜひ手に取っていただきたい。
主人公は表紙の男の子、本当の名前はなんだかわかりませんが「おしっこちょっぴりもれたろうです」という自己紹介があります。
表紙の絵とタイトルを裏切りません、彼はおしっこをしたときにいつもちょっぴりもれたろうなのです。
ここからの展開はちょっと「もう ぬげない」を思わせる内容になっています。
こちらは紹介したことがあったかしら。
これも、どんなクラスでも持っていける一冊ですね。
おしっこがちょっぴりもれたろうだけどいいじゃないかと胸をはるもれたろう、でもちょっと寂しくなることもある。同じようなもれたろうに出会えるとちょっとうれしい。
(このへんもちょっと「もうぬげない」に似てるかもしれない、けどやっぱりちょっと違う)
ヨシタケさんはこのへんの、ちょっとした困りに感じるザワザワした気持ちやそれとのつきあい方を描くのが上手だなぁと思います。
「もうぬげない」もそうだけれど、低学年の子たちには低学年なりの面白さが、高学年の子達にはそれなりの心に残る内容が、大人には大人だけにわかるようなふわっとした後味がある、そんな絵本ですね。
読み聞かせバッグの中身のお話
私は読み聞かせに行くとき専用の絵本バッグを持っています。
担当の学年やクラスの雰囲気や季節に合わせて持って行く絵本をセレクトしているのですが、そのバッグの中から出さずにいつも入っている本が数冊あります。
持っていった絵本が微妙にそのクラスの雰囲気に合わないと感じたときや時間がちょっと余ってしまったときにサッと使える本を数冊。
前出の『もう ぬげない』もその中の1冊。
他には…
- 作者: ヘレン・バンナーマン,フランク・ドビアス,光吉夏弥
- 出版社/メーカー: 瑞雲舎
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この辺がいつも入ってるやつかなぁ。
ボランティアさんの中には昔話がたくさんまとめてあるムックのような本を持ってきている方もいらして、あれもいいなぁと思ったりしています。
あとは、時間がちょっとだけ余ったときに本を読まずに紹介だけするブックトークをやることもありますね。
最近は特に高学年の子たち向けに
この、名越先生の「学校では教えてくれないピカピカ自分みがき」シリーズを紹介することがよくあります。
すっきり解決! 人見知り (学校では教えてくれないピカピカ自分みがき術)
- 作者: 名越康文
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卒業しよう! めんどくさがり (学校では教えてくれないピカピカ自分みがき術)
- 作者: 名越康文
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怒りっぽいことや人見知り、宿題がめんどくさい…等々、小学生の子供たちが直面しやすい悩みを解決するために取り組みやすいソーシャルスキルのトレーニングがわかりやすく解説されています。
漫画形式で書かれていて読みやすいので、表紙や最初の方のタイプ別にネーミングされた登場人物の紹介のところをサラッと読むことが多いです。
読み聞かせの本を選ぶときもやや気をつけていることですが、特に内容を読まずに本を紹介するときは学校の図書室にあるか、近隣の図書館にあるかというのを調べておくようにしています。
「読みたい」と思ったときに手が届く環境のものを紹介したいから。
話があちこちに飛び散ってしまいましたが、今日はこの辺で!
身近な鳥の話をしながら、野鳥の絵本を読む
先日わたしのお誕生日の翌日、諸用で遠出をしたついでに寄ったショッピングモールの中の書店で運命的な出会いをした絵本がありました。
本を買うつもりはなかったのだけどなんとなく誘われるように店舗の一番奥の絵本売り場の飾り棚に、印象的な表紙の1冊が。
日本野鳥の会のバードウォッチングに足繁く通う野鳥好きとして見逃せない表紙。
そして作者は「鳥の巣の本」の鈴木まもるさん。
買わないなんて選択肢はありませんでした。
自分への誕生日プレゼント、と思って、大事に大事に抱えて帰りました。
表紙に描かれているのはマガモですが、お話のスタートは身近な渡り鳥「ツバメ」からです。
今の季節あちこちの軒先に巣をかけているツバメたちが日本へやってくるお話で始まります。
日本にやってくるわたり鳥たち、続いてヨーロッパやアメリカ大陸、北極と南極を行き来する鳥たち。
世界中のたくさんの移動する鳥たちの様子がこの1冊に詰まっています。
これはすごい絵本です。
そして巻末には鈴木さんを象徴するような特集ページ。
登場するぞれぞれの鳥たちの細かな説明と、それに添えられた巣のイラスト。
「本当に1500円でいいんですか…!」と子供に読みながら私の方が盛り上がってしまうような、そんなすごい絵本でした。
鈴木まもるさん、幼児向けだと乗り物の絵本の方が有名かもしれません。
絵のテイストがはたらくくるましりーずとはぜんぜん違っていて面白いのだけれど、鳥の巣の本をたくさん出されている作家さんでもあります。
まだまだ挙げきれないほどたくさんの鳥の巣の本があります、並べるだけでワクワクしてきた…
さて最後に最近出会った鳥の本をもう1冊。
こちらは絵本界に旋風を巻き起こしていると話題の、小学館から発行されている「ぴっかぴかえほん」シリーズの1冊です。
このシリーズの何がすごいかって、月刊誌から毎月1冊絵本が生まれてること。
元になっているのは「小学一年生」に毎号付いている付録のミニ絵本。
その短い絵本をそれぞれの作家さんがいろんな形でお話を膨らませて、1冊の絵本ができているという、異例の作品群です。
既存の絵本に数ページ付け足すというのは作家さんにとっても大変なものだろうと思います。
繰り返しの手法でページが増えているもの、エピソードが付け足されているもの、セリフが増えているものなどいろんな要素で増ページされて出来上がっていくシリーズです。
その中でも私が今一番気に入っているのが、これ。
元になっているのは「ヒバリとヨタカ」というミニ絵本。
ここにカワセミという新しい登場人物が追加されて、お話が追加されて1冊の絵本になっています。
泳ぐのは得意なカワセミと空を飛ぶのが得意なヒバリ、上から下へと飛ぶのが得意なヒバリと横に早く飛べるヨタカ。
それぞれに得意なことがある。「きみはきみでいいんじゃないかな」と書かれた帯が印象的です。
読み聞かせに使う時には、出てくる鳥のこと、身近な野鳥のことを話題にすることが多いです。
それぞれの鳥が身近で観察できそうならどのへんにいるのか、無理そうならどこに行けば観察できるかとか、スズメやツバメなど人家の近くで観察できる鳥の話をするのも良いかも。
私は先日は学校のプールに虫を取りに来ていたツバメのお話から始めました。
おまけとして「ぴっかぴかえほん」シリーズのオススメをいくつか。
低学年の読み聞かせで喜ばれます。
なんの形かな〜〜ってわいわい言いながら読むと面白い。
虫好きにはたまらない一冊。もうこの表紙でなんの説明もいらないかもしれない。
アリの目から見たたくさんの虫たちが楽しめます。
武田美穂さんの可愛い絵が印象的。
大事な大事な金魚を守りたいがあまり何も手につかなくなってしまう男の子の様子もとても可愛い。低学年の読み聞かせにオススメです。
今日はこれまで!
春、一年生に読みたい絵本を探す
前回のエントリは80日前でした。
年度末の慌ただしい時間を抜けてやっと、少し心の余裕が出てきたところです。
新入学を控えている方もいらっしゃるかと。
我が家も末っ子と長男がそれぞれ小中への入学。
新しい生活の始まりに対応できるのか、ソワソワしているところです。
入学、GW、そして、読み聞かせの時間
各学校で違うと思うけれど、私の周りでは4月は何かと忙しいところが多いようで読み聞かせボランティがはいる時間ができるのは5月に入ってからの学校が多いのかなぁ。
一年生になって、いろんなオリエンテーリングを毎日毎日経験して、やっとちょっと学校生活に慣れてきたかと思ったらやってくるゴールデンウィークの連休。
読み聞かせの時間が始まるのはもしかしたら、休み明けにそれまでの数週間で詰め込んできた色々を思い出し思い出ししているちょっとあっぷあっぷな時期かもしれないなぁ。
さて、どんな絵本を読もう。
そんな、一年生への初めての読み聞かせの時間、今年担当させていただけるかはまだわからないけれど、そうなったら何を読もうかなぁ、というのは毎年ワクワクしながら準備しています。
本棚を眺めながら、さてどれがいいかなぁ。
「歯がぬけた」
私の中で低学年向けのテッパンになっているのが、中川ひろたかさんの「歯がぬけた」。
小4になる娘が入学する前に手に入れた絵本で、今も娘のお気に入りの一冊です。
入学前後はちょうど歯が抜け始める子が出てくる時期。
教室で読んでいると「ぼくも抜けたよ!」「私も!」と教えてくれたりします。
「サムとデイブ、あなをほる」
- 作者: マックバーネット,ジョンクラッセン,Mac Barnett,Jon Klassen,なかがわちひろ
- 出版社/メーカー: あすなろ書房
- 発売日: 2015/01/17
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こちらも低学年のテッパン。
この絵本を読むと、クラスの中で元気のいい子、グイグイ食い込んでくる子がどの子か大体見えてきます。
「どうぞのいす」
どんぐりや栗が出てくるから、季節としては秋の物語なのかしら、とは思うのだけれど、お昼寝をしてしまうロバさんの気持ち良さそうな様子は春っぽいなぁと勝手に思っている絵本です。
お話としてはもうちょっと幼い子向けではあるのかもしれないけれど「あとのひとにおきのどく」と自分の後から来る人に思いを馳せる、一年生にとって大事な気持ちが描かれている絵本かなと思います。
「11ぴきのねこ ふくろのなか」
我が家の三男坊が大好きな11ぴきのねこシリーズ。
その中でもこの季節にぴったりなのが「ふくろのなか」。
春の遠足を終えたであろう子供たちとどうだった?ってお話をしながらねこたちの遠足のお話を。
お花畑や木の上でのお弁当、そして…
楽しい遠足から一転、袋の中にとらわれたねこたちがどうなるのか、最後まで楽しい一冊。
最後におまけ
「すずこ」という絵本と出会いました。
本屋さんで見つけて迷わず手に取りました。
主人公すずこが春の1日に経験した不思議なお話。
タイトルにつられて買いましたが、石川さんの絵が春の柔らかい雰囲気にぴったり。
石川えりこさんの絵本
読み聞かせにはちょっと長いのとテーマが重いので向かないかもしれませんが、石川えりこさんの本はこれが特にオススメです。
モノトーンで描かれた炭鉱の町の様子、真っ黒な川、その周りで生きているたくさんの人の姿とそれぞれの思い、鳥肌が立つほどに細かく描き込まれた絵が続く、傑作です。
原画展、行きたかったなぁ…
こちらも春らしい私の好きな一冊。
ジャンルとしては児童書ですね、中学年〜の読書にオススメです。
読むと、つくしが食べたくなります(笑)
酉年なので、とりの絵本を楽しむ
遅ればせながら、こちらでも明けましておめでとうございます。
今日は新年最初の読み聞かせの時間で、酉年だけに、ということでこちらを。
6500万年前には絶滅してしまっていたというのが定説だった恐竜。
今の小学生の多くもそう思っている様子ですが、最近では一部は生き残り鳥類に進化していると考えられています。それについて平易な言葉で解説した科学絵本。
低学年から高学年まで幅広い年齢に使える絵本だと思います。
今日は、読む前に恐竜がいつ頃絶滅したと思うかを子供たちに尋ねてみたり、大量絶滅の原因は隕石の落下があったのではないかというお話などをチラッと。
大量絶滅の原因には諸説あります、この諸説あるということも忘れずに。
そして読み終わった後には時間があれば絵本の中に出てきた鳥類のお話をすることもあります。
オシドリ
絵本の中で美しい羽毛を持つ鳥として紹介されているオシドリ、これが近隣ではどの辺りで観察できるかを知っておくと子供たちにお知らせすることもできると思います。
移動する水鳥で寒い時期には日本全国で見られるようです。
ヒクイドリ
この本に興味をもった子にぜひ見てほしいのが、ヒクイドリです。
脚やつま先、色、目、くちばし…恐竜の子孫、というのを肌で感じることのできる姿形をしています。
世界一危険な鳥としてギネス登録されるほど。国内での飼育にも色々な規制がかかっていて、国内のいくつかの動物園で厳重なオリの向こうにいる姿を見ることができます。
興味を持った子が見に行くチャンスを作れるように、直近の施設を調べておくことをお勧めします。
↑こちらから施設が確認できます。
九州の方はぜひとも福岡県久留米市の鳥類センターへ。
大人250円、子供は土曜日は無料という破格の料金設定ですごい数の鳥類に出会えるファンタスティックな国内唯一の鳥類専門の動物園です。
おわりに
絵本の読み聞かせ、というと本を読んで終わり、というケースも多いと思いますが、それだけではもったいない!といつも小ネタを仕込んで教室に向かっています。
本から新しい体験につなげたり、また新しい体験から新しい本への出会いにつなげたり、いろんな経験が本を通して繋がって行くといいなぁ、と思ったりしています。
おまけ
表題でとりの絵本と書いておいて1冊しか紹介しないのもなんなので、いくつか紹介します。
野鳥マニアとして忘れたくない作家さんは、鈴木まもるさんですね。
鳥の巣に特化した本をいくつも出されている方です。
子供と一緒に読んで、公園や街中の鳥の巣を探すのも楽しい。
鈴木さんの作品には鳥がメインになっているお話の絵本もあります。
鳥の絵がとても丁寧に描かれている美しい絵本、うっとりします。
私が好きな作家さんの中の鳥メインだとこれもありますね。
昔話にも鳥が取り扱われているものは多いですねえ。
- 作者: ハンス・クリスチャンアンデルセン,角野栄子,ロバートイングペン,Hans Christian Andersen,Robert Ingpen
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2004/08
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(これは「魔女の宅急便」の角野栄子さんの文章、 美しい絵と合わせて、お勧めな一作です。教室でも子供達に「魔女の宅急便の…」というとそれだけで興味を持ってくれたりしますね。)
昔話、もう聞き飽きてるだろうと思ったら逆なんですよね。
今の子たちは新しい絵本をたくさん読んでもらっている反面、私たちが親しんでた昔話をあまり知らなかったりします。
読み聞かせでお邪魔している学校の図書室でも、最近新しい昔話の絵本を入れてコーナーを作ったら子供たちに人気なんだそうです。
今年もこんな感じでぼちぼちと本のことを色々書いていけたらと思っています。
よろしくお付き合いくださいませ。
漫画家こうの史代さんの絵本
絵本の読み聞かせボランティアを始めてから、以前より頻繁に図書館に行くようになりました。手持ちの本を使うことも多いのですが、季節を選ぶものやなかなか自分で買えないもの、書店で探しきれないものが図書館にはたくさん眠っているのでそれを発掘しに行くのも一つの楽しみです。
図書館から借りてきた本だと子供たちの食いつきがよかったときに「あそこの図書館にあるよ」と教えることができるという利点もあります。
偶然の出会い
最近は手持ちの本ばっかりでマンネリ化してるな〜と先日子供を連れて行った図書館であれこれと絵本の棚を見回しているとき、背表紙にこのコーナーでは見慣れない名前を見つけました。
「こうの史代 絵」
大好きな作家さんや漫画家さんはたくさんいるのですが、その中でも漫画家のこうの史代さんは新刊が出れば必ず手に入れる方の1人。
最近では「この世界の片隅に」がアニメ映画化されたことでその絵とお名前がさらにお茶の間に広まったのではないかと思います。
私も原作が大好きでセリフを覚えるほど何度も読んだほど。クラウドファンディングの支援者の一人として作品に関わることができてとても光栄に思ってます。
こうのさんの絵本
さて私が出会ったこうのさんの絵本が、これ。
『「あ・そ・ぼ」やで!』
表紙の絵の男の子と女の子、やんわりとした色合い、こうのさんだ〜〜〜!!と思わず嬉しくなって早速借りて帰り、家で子供たちと、また低学年のクラスの読み聞かせに、と使いました。
コテコテの関西弁の教室に馴染めない転校生の女の子と、それを助ける優しい男の子。ストーリーそのものは道徳的な要素を含んだ感じの普段私があまり選ばない系の絵本でやや長めではありましたが、こうのさんの優しい絵柄やところどころに出てくる関西弁のテンポ、子供の心の変化の様子が丁寧に描写されているところなどに子供たちも飽きずに一生懸命聴いてくれました。
作者くすのきさんの絵本
この絵本の作者のくすのきしげのりさん。
「おこだでませんように」が一番有名でしょうか。
「ええことするのは、ええもんや!」や「ぼくのジィちゃん」「ともだちやもんな、僕ら」などともだちや家族関係のちょっといい話的な絵本が多い作家さんです。
道徳的な内容が多いですが、関西弁でテンポよく言葉が綴られていくので読んでいて気持ちのいい作家さんの一人です。
関西弁での読み聞かせ
話はちょっとずれますが、関西弁の絵本を読むときいつも、どの程度なまらせるかは結構悩みます。
大阪にしばらく住んでいたのでそれっぽい関西弁のイントネーションで読むことはできる、でも方言の違うこの辺りではあまりコテコテにしてしまうとお話の内容より耳慣れないその関西弁により子供たちの意識が集中してしまわないかな?と心配になるのです。
『「あ・そ・ぼ」やで!』は主人公の女の子の語りとセリフが標準語なので、違う地方の言葉だということがわかるように少しなまらせる程度に留めました。
長谷川義史さんの絵本なんか読む時も悩みますね…
「たこやきのたこさぶろう」はコッテコテの大阪のお話なのでこれはもう思いきって吉本新喜劇ばりに演じてみることも。
「どこいったん」みたいにシュールな絵本をゆっくり丁寧にイントネーションをつけて読むのも、じわじわきて好きです。
長谷川さんの最近のお気に入りはこれ。
お給料日には回るお寿司を食べに行こう!という、ただただそれだけの家族のお話です。
ただただそれだけのことなのだけど、なんか、良いのです。
おわりに
こうのさんのえほんの話からどんどんずれてしまったので話を元に戻すと、私がこうの史代さんが大好きだということと、「この世界の片隅に」をみなさん是非劇場へ観にいってくださいね、お誘い合わせのうえ!というのを伝えたくて書いたブログでした。おしまい。
失言、失策、場を作るむずかしさ。
お久しぶりの更新です、前回から半月以上あいてしまいました。
最初は子供の通う学校だけだった読み聞かせボランティアですが、手が足りない学校も多くてあちこちからヘルプの声が飛んできて、気付けばおつきあいのある学校が4校に増えていました、自分でもびっくりです。
週1回のところもあれば月に1〜2回のところもありで今のところなんとか無理のない範囲でお手伝いできています。
さて今日は、先日1年生の教室で私がやらかしてしまった失敗のこと。
「姿勢、いいね」
今年度初めて入るクラスでした。
元気のいい1年生、大きな声で挨拶をしてくれて、教室に余裕があったので前の方に椅子を持って来たい子はどうぞ、と声をかけ移動してもらった後のこと。
一番前に陣取っていた女の子がとても姿勢がよかったのでつい
「あ、姿勢、いいね」
と声をかけました。
照れ臭そうに笑う女の子、私もつられて笑って、絵本の説明に入りました。
読み初めて気づいた、異変
最初の1冊を読み始めて少ししたころ、ふと違和感を覚えました。
目の前の例の女の子、表情が硬い。少ししてわかりました。一生懸命背筋を伸ばし、それを保とうとしていたんです。
しまった!
と思いました。
痛恨の失敗
私がうっかりかけてしまった声のせいで、せっかくの絵本の時間に「姿勢が良い自分を保つ」ことに意識を集中させてしまった。
痛恨のミスです。
ほめたことが結果的に裏目に出てしまいました。
これはいかん、とその子の集中が背筋から離れるように、と2冊目の前に少し雑談を交えてその子にも声をかけ、なんとか切り替えてくれて一安心して最後まで読み進めることができました。
「絵本のための時間」だけど
こんな風に、大人の働きかけ方次第で絵本読みの時間がガラッと空気を変えてしまうことは割とよくあります。
先生がきた!
一番わかりやすいのが途中で担任の先生がはいってくること。
それまで純粋に絵本を楽しんでいた空気が一転して「先生に叱られないようお行儀をよくしないと」という空気が教室を巡ることがあります。
感想の時間
もう一つよくあるのが、感想の時間があると事前にわかっているケース。
担任の先生や学校の方針などによって違うのかな、発端はよくわかりませんがなぜか読後に児童が挙手をしたり先生が名指ししたりして感想を言わせる教室に遭遇することがあります。
その感想の時間が用意されていると子どもたちが聴きながら一生懸命「何を言おうか」って考えてるのが表情からわかることがあるんですね。
大人が喜ぶ回答をしようとして必死に考えてくれる。
絵本や本の中身から、おぉ!って大人が思うような要素を一生懸命探そうとしてる様子が見て取れて、あぁもったいない…とモヤモヤしてしまうことがあります。
純粋に絵本を楽しんでほしいから
いろんな学校を巡りながら、教室の子どもたちの中には「ほめられる」ことがすごく大きな意味を持つタイプの子がいるのかも、というのが少し見えてきました。
感想を言って大人に喜んでもらう、ほめられる、という経験、姿勢を褒められて嬉しい頑張ろうと思う気持ち、それそのものを否定することはできません。その子たちにとって必要な栄養素みたいなものなのだろうとも思う。
でも、読み聞かせの時間にはそれはなるべく持ち込みたくないなぁ、と思うのです。
なにかに囚われて、めのまえの絵本そのものが楽しめなくなってしまっては意味がないんじゃないかなぁと。
しつけやお行儀の指導や自己肯定感の向上を含む子どもたちそれぞれへのケアはその場限りのボランティアの私たちが背負うにはちょっと荷が重いお仕事だし、役割と違う。
私が教室に行くのは、やっぱり絵本を楽しむ時間を提供したいから。
だからなるべく、それが叶う環境づくりを念頭におかねばならないなぁと。
一言の失言で1人の子が絵本を楽しめなくなっちゃうのは、やっぱりもったいない。
さて明日の読み聞かせの時間には何を持って行こうかなぁ…
6年生の教室、選書は高学年になればなるほどむずかしい。
クリスマスの本にするか、卒業を視野に入れたものにするか、いっそ落語とか笑えるやつにするか…
そういえば。
自他共に認めるヨシタケ信者の私、新刊が出ると聞いてワクワクしています。
ジョン・バーニンガムさんの絵本
読み聞かせボランティアをやっていてあちこちの方と知り合いになっていくと、普段通っている小学校以外のところから「ちょっと来られない?」というヘルプのお声が時折かかります。
別の小学校の朝の読み聞かせの時間だったり、公民館や図書館の絵本読みの日だったり、何かのイベントの出し物のお手伝いだったり。
今朝も、全校の教室に一斉に読み聞かせボランティアを入れたいけど人手が足りない、というご連絡をいただき急遽ちょっと離れた小学校に駆けつけてきました。
そうやって近隣のいくつかの学校に通っていて気づいたのだけれど、玄関を入ったところですぐに、学校によって全然違う雰囲気や空気を感じるんですね。
ピンと張りつめた空気を感じる学校もあれば、柔らかい雰囲気が漂っている学校もある。先生方の声がどんなふうに聴こえてくるか、廊下ですれちがう子供たちがどんな表情をしているか、挨拶の声、歩き方…
面白いのは、校長先生が交替するとその雰囲気が突然変わることがあること。
それくらい、学校のトップである校長という立場が学校全体に与える影響は大きいんだろうなぁと思ったりします。
先生方のスペースから子供たちのいる教室に向かって、入り口に立つと、クラスごとの雰囲気もまた感じます。それを感じながら、今日はどの本を読もうかな、と考えます。静かに聴かせるものがよいか、突っ込みを入れる系のを楽しめそうか…
突っ込み系の本で好きなのがジョン・バーニンガムさんの「ねえ、どれが いい?」
選択肢を提示して子供たちから返事をもらいながら進めていく絵本。
ストーリーが最初から最後へと繋がっている種類の本ではないので、時間がちょっと余ったときの穴埋めにも便利。
今日教室で読んだのは同じジョン・バーニンガムさんの「いつもちこくのおとこのこ ジョン・パトリック・ノーマン・マクヘネシー」
いつもちこくのおとこのこ―ジョン・パトリック・ノーマン・マクヘネシー (あかねせかいの本)
- 作者: ジョン・バーニンガム,谷川俊太郎
- 出版社/メーカー: あかね書房
- 発売日: 1988/09
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これ、なかなか出会えない「小学校の全学年に持っていける絵本」だと思います。
低学年には突拍子もない事件に出会うところを楽しんでもらえる。
高学年には、先生や大人に対する理不尽や不満に共感するような内容として。
大人向けにも、理不尽に抗わず静かに絵本のなかにたたずむジョンの姿がじわりと心に残る内容です。
ジョン・バーニンガムさんの絵本、柔らかいイラストと押し付けがましくないけどふわっと琴線に触れるような内容がとても好き。
年月を超えて、いろんなタイミングで読んではそのときどきの感じ方ができる絵本が多いんじゃないかな、と思います。
も有名な一冊ですよね。
「いつもちこくのおとこのこ〜」もそうですが、谷川俊太郎さんの訳も詩人さんらしい耳障りのよい日本語で、声に出して読むのが心地よい。
谷川さんといえばえこ (id:bambi_eco1020)さんが紹介されていた「これはすいへいせん」をやっとこ手に入れました。
先日5年生の教室で出したら「のみのぴこみたい!」と反応した子たちが。
つみあげうたの最後にぐるりと回る不思議な感じが大好きです。
ジョン・バーにガムさんの絵本のリンクを貼ろうと検索していたら見つけたこの絵本、タイトルと表紙だけでかなり気になってます。
- 作者: ジョンバーニンガム,John Burningham,千葉茂樹
- 出版社/メーカー: ほるぷ出版
- 発売日: 2006/03
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